住まいづくりコラム

坪単価に惑わされないで

こんにちは森田です。

今朝の大阪府交野市の朝は秋晴れ。

蒸し暑かった昨日に比べて少し涼しい朝でした。

これでも例年の10月の気候ではないそうです。

まだまだ本格的な秋ではありません。週末から気温下がるようですが

今日のお話は坪単価です。

いつも短い投稿ですが、今日は少し長めですいません。

お客様から「お宅の坪単価はいくら位?」こういう風に聞かれるケース多いです。

ハウスメーカーも「そうですね、うちは坪〇〇万円~です」と答える営業マンも多いです。

新築をお考えの方には目安になると思われる坪単価、実はこれ程いい加減なものはありませんのでご注意ください。

「家の坪数×坪単価」簡単な計算で概算金額が分かり便利ですが、実は各社統一されている訳ではなくその中身はバラバラなのです。

まずは坪単価の中に「どこまで入っているのか?」がポイントです。

チラシの坪単価の横に“住宅本体価格”なんて小さく書いてあれば「屋外給排水工事」「付帯工事」は別途です。

屋外給排水工事とは家の内部と、水道メーターや公共マスの間に水道管を配置する工事をいいます。

下水道と家の排水設備をつないだ下水道のうち、一番下水道管近くに設置されている最終マスが公共マスです。

キッチンや洗面、トイレやお風呂などで使った汚水の排水をおこなうためには上水道管と下水道管が家の水道管とつながっていることが必須となります。

屋外給排水

屋外給排水

配管の長さによって工事費用が変わることを知っておいてください。

基礎から内側の給排水は単価に入っていますが、外側(屋外給排水)は別途ということが多いです。

後は付帯工事です。

既存建物の解体工事、地盤改良工事、電気・ガス・水道の引き込み工事、外構工事等を言います。

地盤改良工事(柱状改良)

敷地内に上下水道管他が引き込まれていない場合には、給排水引込工事が必要です。

これらの工事が別途ということですが、住宅本体価格内だけで建てた家には暮らす事は出来ません。

それと付け加えれば、住宅ローン関係税金、登記費用などの建築外諸経費も必要です。

坪単価を安く見せるからくりは他にもあります。

通常は坪単価が高い家がよりグレードの高い家に感じますが

例えば、

・ハウスメーカーA 住宅本体価格2500万円 50坪 坪単価50万円

・ハウスメーカーB 住宅本体価格2100万円 30坪 坪単価70万

設備・仕様がほとんど変わらず床面積が異なる2つの住宅の場合と仮定

ハウスメーカーAの坪単価は約50万円ですが、ハウスメーカーBの坪単価は約70万円となります。

見た目では床面積が広く、本体価格の高いハウスメーカーAのほうが高額になりそうですが、坪単価で比べると、ハウスメーカーBのほうが15万円以上も高い住宅となります。

このように坪単価は、床面積が小さい住宅では高くなるのです。

本体価格を床面積で割った数字なので、床面積が大きくなれば当然、坪単価は小さくなっていきます。

これがローコストのからくりです。

床面積に大小に関係なく、1軒の住宅に必要な設備の数はそんなに変わりません。

普通の一戸建て住宅なら、キッチンや浴室は1か所、トイレは2カ所が多いでしょう。

もちろん、どんなシステムキッチンを選ぶかによって坪単価は変わりますが、床面積が4割減だからといって、設備機器にかかる建築コストが4割減ということにはなりません。

このように設備機器などにかかる建築コストが坪単価はもちろん、本体住宅価格に大きく影響してくるのです。

以前のローコスト住宅で名を馳せたT社は、床面積35坪以上の条件で坪単価40万円弱でインパクトを与えました。

いくらローコストでも35坪から1坪減れば、確か坪単価は1万円アップだったかと記憶しています。

しかもハウスメーカーによっては延床面積では無く、バルコニーと玄関ポーチ、吹抜を面積を含めた“施工面積”と称して坪数を増やして計算するところもあります。(その部分単価は床部分より安め)

またローコストは基本メーターモジュールです。

尺は910モジュール、メーターは1000モジュールですが6帖間の場合、

尺 2.73mx3.64m=9.93㎡

メーター 3mx4m=12㎡

この様に比較してみると1.2倍も違ってきます。

先ほどの繰り返しになりますが、床面積が1.2倍大きくなったからといっても設備機器や階段、建具関係はほぼ変わりません。

以上のことから工事費・材料費(メーター用で多少変わる)ますが大差はありません。

その上床面積に1.2倍もの差が発生、同じの間取りならメーターモジュールのほうが坪単価が安くなります。

このように考えると、坪単価は目安とはなりますが、変動要素が大きい上、その坪単価がいろいろな条件でによって変わる数字なので、比べてみてもあまり意味がないと言えます。

そもそも住宅建築の価格はハウスメーカーや工務店ごとに採用する基準・仕様がまちまちで、独自の積算ルールも違うので相見積もりを取るだけでは中々分かりづらいです。

今日お話ししたように「いかに坪単価を低く見せるか」をプロのハウスメーカーの方々が日夜考えているのですから。

実話ですがこんなことがありました。

ある不動産屋さん同士の会話・・

Aさん「安い安いと言われているSホームで土地を世話したお客さんが家を建ててんけど、坪80万超えてるそうやで。たかが20坪ちょっとの土地に建てた小さな木造2階建ての家やのに 高いわー」

Bさん「ほんまやな?そんだけの坪単価やったら大手のS林で建てれるやん」

ベテランの不動産屋さんでもこの調子ですから(笑)難しいですねえ。

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