住まいづくりコラム

自然素材の木の家と新建材のなんちゃって木の家

こんにちは森田です。

今日の作業場。

菅村棟梁がアカマツ丸太の墨付けを行っています。

丸太に墨付けを行う菅村棟梁

墨付けから手刻みへ

年季の入った墨つぼ

大きな丸太にノミだけでほぞ穴を開ける

丸太が重なり合う部分の墨

こちらは露出する化粧面じゃない部分。

二本の湾曲した丸太の取り合い、ほぞが穴にピタッと決まるのが信じられません。

本物の木は木材になっても、死なずに生きていますので自然の力で動きます。

木を知り尽くした熟練大工は、それを予想しながらほぞ穴を開けたりして動きを止めます。

棟梁は木と対話が出来るのか(笑)

頭の中は構造の展開が3Dで描かれているのでしょうね。

ホント素晴らしい技術です。

さて、話は大きく変わります。

昨日は住宅建材における化学物質に少し触れました。

少しその辺りをお話します。

私が生まれた1960年代中頃から新建材が使われるようになりました。

新建材とは今のお家で主流な、新しく開発された建築材料の俗称。

いろいろのものがありますが,主は石油化学製品が中心です。

スチロール,ウレタンなどの断熱材,塩化ビニル,ポリエステルなど壁や家具に使われる合板、ベニヤのほか,化粧板,プラスチック床材などを言います。

昭和高度成長期(1956(昭和31)年から1972(昭和47)年まで)の好景気の下、戦後の住宅不足、人口増大を背景に新建材を使った戸建て分譲住宅、団地などが乱立しました。

住宅産業も右肩上がり、粗悪な材料、施工であっても「建てれば売れる、資金がどんどん回転するので工期は短ければ短い方が良い」という事で粗悪な住宅が中古住宅の流通をも阻害しています。

こんな状況下に建った家は長持ちせず、改修も出来ず無用の産物として空き家で放置されているのです。

大工技術の衰退も、「建てれば売れる」時代背景が大きいのではないでしょうか。

当時、新築の住宅に入ると「目がチカチカして息苦しい」という声が多かったと思います。

住宅販売に携わったベテランの不動産屋さんは、新築は毎日窓を開けて換気していたと言います。

それだけ新建材から放散する化学物質の量が多かったと言うことです。

問題になった物質はいくつもありますが特筆するのは「ホルムアルデヒド」。

ホルムアルデヒドはヒトの粘膜を刺激するため、目がチカチカしたり涙が出る、鼻水が出る、のどの渇き・痛みやせきなど、シックハウス症候群の原因となる代表的な化学物質です。

室内での主な発生源は「合板」です。

住まいには壁、天井、押入、床フローリングなど多くの場所に合板が使用されています。

また、タンスや食器棚など木製家具にも多く使用されています。

最近の建材は、ホルムアルデヒドの使用を抑えているため、放散量自体それほど多くありません。

しかし、数年前まで樹脂や接着剤の原料として広く使用されていたため、10年以上経っても放散が続くことがあります。

このシックハウスが社会的な問題になり、2003年7月からの改正建築基準法で、ホルムアルデヒドを含む建築材料は規格によって使用する面積が制限され、さらに機械換気の設置が義務づけられました。

JISではホルムアルデヒド放散等級区分が規格化されました。

JIS規格の認定を受けた建材はJISマークとともに放散等級表示が許されます。

最高等級である4つ星等級の認定を受けた建材は建築基準法のもとで使用面積の制限を受けずに使用できます。


建材の環境JIS(日本産業規格)・JAS(日本農林規格)等級区分

材料の区分 表示記号 JIS JAS 使用制限
(法規制対象外) F☆☆☆☆ 制限なし
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
F☆☆☆ 使用面積が制限される
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
F☆☆ 使用面積が制限される
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
旧E2、Fc2
又は、表示なし
使用禁止

この基準を満たしていれば国のお墨付きを頂いたという事で「健康住宅」と表記する建設会社もありますが、果たしてそうでしょうか。

その基準が当てはまらない人も多数おられるとおもいますし、いくら上記の最高等級のF☆☆☆☆建材であったとしても、微量ながら化学物質が飛散しているのは確かです。

※F☆☆☆☆合板の基準値の平均 0.3mg/L(水1Lの中に物質(溶質)が1mg含まれていること。ppmとほぼ同じ値)

建築基準法は大きな問題が発生する度に改定されてきたのは事実。

「今の所安全な基準」というのが妥当と言えるのではないかというラインです。

日伸建設の住宅は極力石油化学製品を使わず、自然素材系に拘って材料を吟味して選んでおります。

土に返る素材であることが判断基準です。

だからこそ、お家森林浴、「空気の美味しい家」だと言えるのです。

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