住まいづくりコラム

保証と称する囲い込みにご注意を

こんにちは大阪府交野市の無垢材と自然素材を使った家づくりを行う 日伸建設の森田です。

今日は「保証」についてお話します。

地場の工務店より大手のハウスメーカーが安心と思われるのはこの部分でしょうね。

実際には大手には優秀な顧問弁護士がいて、トラブルでこじれてくるとシステマチックにその方達が登場してくるので安心と言えるのかな。

法の守備固めが完璧な請負契約書約款がベースになりますので、彼らはトラブルになっても負けません。

そういった部分では、規模が小さくても誠意がある良心的な地場工務店の方が、融通が効く分何かあった時にでも柔軟な対応をしてくれるかも知れませんね。

しかし日本人は保証に関心が高い、弱いですね。

今の新築の一戸建てには、どのお家も住宅瑕疵担保責任保険に加盟しています。

所謂10年保証です。

住宅瑕疵担保責任の配筋検査 ハウスプラス住宅保証(他社現場)

住宅瑕疵担保責任 中間検査 主に防水部分 (床合板、柱が集成材なので一目で他社現場とお分かりですね)

構造躯体と雨漏りに関しては10年間保証の保険に加入しています。(その他は1~2年の短期保証)

建てた建築会社が倒産しても、この保険を使って修理出来ます。

あるハウスメーカーは「当社の住宅は60年保証」と大きく打ち出しています。

それが安心につながると思う方が多いのでしょうが、会社を創業して10何年なのに60年保証すると言っても、私ならそんな約束は信用できませんがいかがでしょうか。

またその会社の広告にも小さな字で・・・

「お引渡し後10年間経過したお家は弊社が点検し、必要ならば有償改修を行った上で5年間延長保証。さらに5年後点検を行います。以後同じように繰り返し最大60年間保証します」と書いてありました。

要は保証というより「自社で建てたお客さんのリフォーム需要の囲い込み」な訳です。

最初の点検で、外装材のシーリング打ち換え、屋根・壁の塗装工事、バルコニーの防水は確実に有償改修提案があるでしょう。

水回りの入れ替えも次回、次々回の点検で営業されるはずです。

他社でリフォームした場合は長期保証の対象から外れるので、ずっと建てたハウスメーカーに依存し続けることになります。

これぞカモネギを囲い込む営業手法ではないでしょうか?

さらに大手の鉄骨、プレハブメーカーが多いパターン。

こちらも同じ手法、お家が「型式適合認定」を受けていると一切他社は手出しできません。

型式適合認定とは、住宅の材料や構造などについて事前に認定(国交省大臣認定)を受けることで、個々の住宅の確認や検査のコストを削減することができる制度です。

認定は、国に指定された指定性能評価機関が行うのですが、認定された型式で建てられる住宅は、予め建築基準法に適合していることが認められているため、個別の建築確認や検査を簡略化することが出来るのです。

しかしこれは「ブラックボックス」で、その型式認定を受けたメーカーしか内容が分からないから他社が手を付ける事が一切できないのです。

コスト削減、確認申請の簡略化が目的でしたが、中古住宅で流通してもリノベが簡単に出来ないので、基本私はお勧めしません。

という事でお家の資産評価・価値まで低めてしまう事になります。

大手が建てた家に付加価値を感じる方、間取りや動線に拘りがない方には良いかもしれません。

あと気になる保証は、住宅ローン借入時に借主が入る団体信用生命保険(団信)。

金利が少し上がっても3大疾病、8大疾病付団信が人気です。

仮に借主が住宅ローンの返済途中にお亡くなりになられなくても、病気と判断された時点で住宅ローンがチャラになり保険金が支払われると充実保証がセールスポイント。

でもこれも小さい字で書かれている所をしっかりと確認してくださいね。

ガンでも皮膚、舌ガンは免責、入院日数は何日以上に限る等書かれていますので。

そもそも充実した生命保険に加入しているなら普通の団信で良いのかも。

保証という言葉に踊らされたり惑わされたりしないでくださいね。

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