木が生き続ける「天然乾燥材」

天然乾燥材と人工乾燥材

山から切り出してきた木は、水分を多く含んでいます。そのままでは家の材料としては使えないので、含水率20%以下になるまで乾燥させるのですが、水分が抜ける過程で木は収縮し、反ったり割れたりします。
ある程度乾くと変化しなくなって状態が落ち着き、家の材料として使えるようになります。数年の歳月をかけて放置し、自然に乾燥させてできたのが「天然乾燥材(AD材)」といいます。

一方で、技術が進化し、機械で強制的に乾燥させることができるようになりました。そうしてできたのが「人工乾燥材(KD材)」で、重油を燃やしてそのエネルギーをつかって短時間で乾燥させます。これによって、数日程度で乾燥できるようになりました。

木は50度以上に加熱されると細胞組織が死滅してしまいます。それによって調湿効果も失うのですが、木のことをあまり知らない多くの住宅会社では、無垢材だから「呼吸します」とか「調湿してくれる」と言って販売しているのが現状です。無垢材だとしても、どのように扱われて材料になった木なのか、しっかりと確認しないとなりません。

木がもつ本来の特徴を残すには

人工乾燥ができるようになり、コストダウンが図れるようになりました。また、天然乾燥に比べて含水率を低い数値に設定することができ、よく乾いた木材を安定供給できるようになったため、今ではほとんどの住宅会社で人工乾燥材が使われています。
人工乾燥は前述のとおり、細胞組織が死滅してしまい、油分が抜け出てしまうため、木が持つ粘り気や強度が失われてしまいます。

一方、天然乾燥は、ゆっくりと時間をかけて乾燥することで木にストレスがかからずに、自然の木が本来持っている調湿効果などの特性をそのまま残すことができます。
油分が適度に残っているため、色艶もよく、しっとりとした肌触りになり、何より芳醇な木の香りが家の中に立ち込めるのが、天然乾燥材の最大の特徴であると言えます。

日伸建設では、自然の木の良さを最大限に享受できる天然乾燥材を使うことをおススメしています。

天然乾燥材と人工乾燥材の違い

  天然乾燥材 人工乾燥材
コスト 高価 安価
期間 数年 数日
色・艶・香り 木の良さが残る 油分が飛び、
香りが損なわれる
含水率 20%前後
むらがある
20%以下に設定できる
その他 木組み・木目を美しく現せる
木を見て調整できる
梁丸太や曲がった木も加工できる
複雑な加工はできない
精度が多少落ちる
接合部がガタつくことがある

日伸建設の作業場で違いを確かめる事が出来ます。ご覧になられたい方はお気軽にお問い合わせください。

木割れや音鳴りについて

天然乾燥には限界があり、ある程度までいくとそれ以上乾燥することが難しく、柱や梁となった後も、家の中でゆっくりと乾燥が進みます。
冬の乾燥する時期になると家のどこからか「ピシッ」という音が鳴ることがあります。初めて聞いた時にはビックリする方も多いのですが、これは木が乾燥して割れが生じて鳴る音です。
割れるというと木が弱くなるようなイメージがありますが、それは逆で、割れが生じることで木が締まっていくので、割れていない木よりも割れた木の方が強いと思っていただいてもいいくらいです。
もちろん、熟練の大工は、乾燥が進むことで、木がどのように変化するのかを計算した上で配置していますので、何の心配もいりません。

とはいえ、不安になることもあると思います。日伸建設では、天然乾燥材と人工乾燥材を見比べることや作業場の見学もいつでも可能ですので、気になった点については、木を知り尽くした大工に何でも聞いてください。

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